【デジタル】Game:Google Stadiaの話であまり日本の記事が記述していないポイントについて
こんばんは。昨日は、日経BP主催のスポーツマーケティングのイベントでeスポーツについて話していたんですが、ちょうどタイムリーにPhil HarrisonがGDC(Game Developers Conference )で発表した”STADIA”の話が出てきたので、現場にいた数名とはちょっと話してみました。まだ、皆さん全貌がわからない感じなので反応は薄い感じでした。いや、実際のところの日本での温度感はそんなとこかなぁとは思います。僕自身、ゲーム好きだし、eスポーツ担当ではありますが今のところ静かに遠巻きに分析している感じ。GIZMODEあたりは、ばーんと長文あげていましたが「あー、この辺は書かないのね」という感じだったので。僕が個人的に気になっている部分をいくつかピックアップしてみます。ざっくりと海外の記事から要点をあげると、下記の通り。
- You won’t need an expensive gaming PC or a dedicated game console.
- Streamers will be able to create lobbies for fans to join and play with them.
- Google showed a single new title, Doom Eternal, running on Stadia.
- Google is using Linux as the operating system powering its hardware on the server side.
- Google only demonstrated the service on its own devices.
- There was no mention of iOS support through a dedicated app or Apple’s Safari mobile browser.
- Don’t even know how much the service will cost for consumers
- Google is recommending a connection of “approximately 25 Mbps” for 1080p resolution at 60 fps.
- Google’s Stadia service is also entirely cloud-based, which means no offline play. Google will compress the image from its servers to your client.
ザザっとこんな感じです。STADIAですが、報道されている通りサーバーサイドでレンダリングしプレイヤー側のハードウェアのスペックにはほぼ負荷がかからないタイプ。既存サービスだと、インディーズどころだとJump、メジャーどころだとGEFORCE NOWとかPLAYSTAION NOWとかが有名どころですよね。これと同じようなサービスを、Googleのプラットフォームで提供するよという話。大きく取り扱われてるけど、多分Project streamの進化版だと思います。これ。僕個人としては、この手のStream型にはちょっと懐疑的です。8項目目の“approximately 25 Mbps” for 1080p resolution at 60 fps. という部分が引っかかっていて、ストレス無しでプレイするにはやっぱり、自宅などの通信安定環境にないとダメなんですよね。5Gに期待している人も多くいますが、基本通信が直線的で建物に阻まれるという時点で「移動時=モバイル」には向かないなーと。となると、結果として日本では今まで通り「スマホベース」ゲームが主流になるのではないかと感じています。
合わせてですが、というかとても大事な事なのですが今のところAppleとの親和性が低そうだなーという部分。”There was no mention of iOS support through a dedicated app or Apple’s Safari mobile browser.”という位部分。いつものことながら、テック系のサイトでは全然触れていないのですが、基本Chrome向けのみのサービスになってしまうのではないかという懸念が色々。全てに開かれたという前提では開発しているようですが、少なくともSafariはかなりの後回しになると予想しています。ここで注意しなければならないのは、世界におけるブラウザシェアと日本のモバイルにおけるブラウザのシェア、この差って本当にすごいんです。
上二つのグラフを見ていただくとわかりますが、世界的に見ればChromeを抑えれば6割以上のシェアが取れるのですが、見ての通り日本だとそうもいかず。この数字からも、日本での普及はいまいちじゃないかと思うのです。
あとはサードパーティー問題。オンラインでもプレイされていて、Twitchなどでも多く配信されているゲームは既にプラットフォーマーと固くタッグを組んでいることはご存知の通り。ここは、これまでの歴史と様々な契約がある中突如「移籍」とはならないわけで、いくら箱がすごくてもソフトがついてこないと苦戦する可能性が高いなぁとも。これは、これまでのコンシューマー機の歴史を見てもお分かりになる通りです。今のところDoom Eternalだけだという部分に引っ掛かりを感じます。何しろ、新規の仕組みなのでプロダクションサイドからすれば完全新規の取り組みですからね。サブスクだと、回収し損ねるリスクがあるためです。ハイスペックな映像を備えたゲームって、膨大な工数とコストがかかるんです(多分、ある程度はGoogleのテクノロジーで補うことが予測されます)。
最後に、僕が現時点でスマホゲームにも抱いている不満なのですがサーバーサイドであるがゆえに、通信が繋がらない場所では一切ゲーム不可。になりそうだなぁと。今のところのストリーミング型オンラインゲームは、ゲーマーが対象なので特に問題ないと思うのですが「気軽に」遊べることを前提にするとユーザーが過多になり、その世界の基礎知識がないままプレイに参入し、苦情を本部もしくはネットに放出するというリスクは多分にあるかと。ここら辺を、どう解決していくのか、ウォッチしていこうと思います。日本ローンチ、そもそもいつなのか知らんけどw。なんにしても、帯域25Mbpsがマストなら、当面は自宅でのプレイが推奨になりそうですね。個人的に、プレイヤーがロビー作って、その神がかったプレイをサーバーが再現していく中に別プレイヤーが追体験ではなく普通に参加できるっていう機能に惹かれていたります!これは、かなり新しい♪( ´▽`)
色々書きましたが、僕は全然反対って立場ではありません。念の為。ただ、Googleがあらゆる分野に出ていくことでベンチャーの築いた世界を飲み込み結果として競争と進化を阻害するのはやめてほしいなぁと。なんというか、庇護者としても動くことで共存と競争をGoogleが主体になって促してくれると嬉しい。というわけで、まだ日本に来ないのでゆっくりウォッチしたいと思いまーす。頑張れ、CYBER-Z!頑張れ、DMM!頑張れ、ドワンゴ!ドメスティックな企業にもうちょっとこの辺でも前に出てほしい。