【デジタル】LINEスタンプのサブスクが伝えるもの
僕は、なんども記述の中で「創り手に対する敬意」の話を書いてきました。なぜかというと、自分自身が制作上がりで、その制作は目に見えていない多くの人の労苦と汗と創造力の上に成り立っているものだと知っているからです。だからこそ、僕たちは「オーダー」するのではなく「お願い」するのだという気持ちを指すれてはならないと考え行動しています。
さて、表題の件。先日記述したLC19のお話の中で、LINEスタンプがサブスクになる話を書きました。大した扱いにはしてないのですが還元部分が気になる話はメモっていたかと。というのも、別のエントリーで音楽のサブスクがかなり酷い事になっているという記述を書いた後のお話だったから。しかしながら、今度のLINEスタンプの話はそれ以上の衝撃を感じさせてくれました(苦笑)。
0円???((((;゚Д゚)))))))
何がすごいって、還元放棄しましたよ。いや、一応今までアップしたものは還元するみたいなんですけどね。あと、web版LINE Creators Market経由での投稿は今まで通り還元。多分、利便性からアプリ版の「LINE Creators Studio」経由のものもそれなりに多いのではないかと思うのですが、規約をきちんと把握せずに投稿すると「分配金0」になるなというお話です。まぁ、一応前提としてうちわで使いやすいようにプロセスを簡略化したアプリだからという事なのでしょうけど、職人も使ってるだろうなーと。
もう一つ。結果論ですが、web版LINE Creators Market経由でアップしたとしてもサブスクに掲載されたら圧倒的に分配金が下がるという事実については何も説明されていません。サブスクモデルの基本的な分配の考え方は、「全売上金×(各権利者のコンテンツの総利用回数/すべてのコンテンツの総利用回数)」となるわけで単価100円のスタンプについて一時金で受け取るのかサブスクで通年で受け取るのかという選択ですが、相当な人気クリエイターではない限り一時金の方が圧倒的に収益率が上がるような気がします。どのくらい、みんながプレミアムに登録するかにかかっていますが。本来、この辺の説明を丁寧に行うのが筋だと思うのですがLINE社は特に創り手に敬意を払っていない為なのか、このサブスクモデルの分配金に関する説明をサイトでは一切していません。LINE MusicのFreemiumというモデルで再生される部分についても、原盤使用料払う気ないのではないだろうかと想像してしまいます。
蓋を開けてみないとわかりませんが、良質な作品を供給するクリエイターがサブスクに参加しなければそもそも新しい良質なスタンプがサブスクに反映されないわけで、結果としてはこのプロジェクト自体がフェイドアウトする事は想像に難くありません。本来あるべき姿は創り手とプラットフォーマーが「同じテーブルで会話し未来へ進む」試みがなされて初めて市場が開けると思うのですが、このようなプロセスを経ていないことが根幹的な問題だと感じています。生活に入ることを前提としている企業だし、元々の立ち位置に悪意がないことも分かっているだけにきちんとこの辺を丁寧に対応してもらいたいなーとか。もはや、インフラ化していますしね。LINE。
【追記】折角なので、スタンプを販売した際の収益額の計算などをしてみたいなとおもいました。
88円×0.35=31円
※1LINEコイン=1.76円 , (全売上-Apple or Google手数料30%)*50%=0.35
1契約=240円(学生は120円)
稼働から考え、ざっくり300万人が契約と仮定。うち、学生が4割。
240*180万+120*120万=5億7,600万円
【CASE1】全ユーザーが一人5種のスタンプを活用し、そのうち2,000名が自分のスタンプを活用したと仮定。
5億7,600万円*0.7*0.5/1,500万*2,000=26,880円
(月次単価:13.44円)
【CASE2】全ユーザーが一人10種のスタンプを活用し、そのうち2,000名が自分のスタンプを活用したと仮定。
5億7,600万円*0.7*0.5/3,000万*2,000=13,440円
(月次単価:6.72円)
【CASE3】全ユーザーが一人15種のスタンプを活用し、そのうち2,000名が自分のスタンプを活用したと仮定。
5億7,600万円*0.7*0.5/4,500万*2,000=8,960円
(月次単価:4.48円)
※これまでの販売形式の場合:31×2,000=64,000円