【印刷関係】大豆油って、何よ?
僕みたいにパッケージの仕事をしているとリサイクルの話は切っても切り離せないわけですが。
そういうなか、かなり昔から聞いてはいたけどいまいち知らなかった素材が結構多々ありまして。
その一つが、大豆インキ。
何となく、「溶剤で大豆油を使ってるのかなぁ」程度の知識しかなく。
株式会社竹尾のサイトでは、下記のように書かれています。
『通常インキは、顔料、樹脂、溶剤(石油系溶剤)、植物乾性油、補助剤から構成されています。大豆油インキは、この植物乾性油の部分に大豆油を使用したものです。植物乾性油の比率を多くすると、石油系溶剤の使用率が減る為、”石油資源の保護に役立つ” “生分解率が高まる” “脱墨性が高い”などのメリットがあります。但し通常のインキより”乾燥が遅い” “若干大豆臭が感じられる” “価格が高い”などの問題点もありますが、今後環境問題を無視できない社会情勢の中で大豆油インキが多いに注目されていくと思われます。』
という事で、植物性乾性油にあたる大豆油を増やすことで溶剤にあたる石油使用料を減らすものらしいです。
さて、この大豆インキ。
実は、エコの発想で生まれたものではなかったりするのです。
もともと、このインキが生まれた理由は1970年代のオイルショック。
アメリカの新聞協会が、「こりゃまずいね?溶剤代わりを探さんとコスト上がるよ」という事で考えたのが始まりだそうな。
結果として、VOC(揮発性有機化合物)放出量を抑えられるなど副次的な環境改善も得られたようで現在はアメリカのエコの象徴の一つみたいになってるのです。
ちなみに、アメリカに置いて「SOY INK」を名乗るためにはアメリカ大豆協会からのお墨付きが必要で「黒の新聞インキ: 調合インキ全重量の40パーセント以上」「カラー新聞インキ: 調合インキ全重量の30パーセント以上」「ビジネスフォームインキ: 調合インキ全重量の20パーセント以上」みたいな感じで結構ちゃんとしたルールが決められていたりします。
これをクリアーすると、ライセンスが付与されシールがはれる様です。
思えば、このインクを知ったのはRobertMondaviの商品がうちに来たときにブロッシュアを制作してて「これなに?」って思ったのがこのインキとの出会い。
いや、ここのワインのラベルは全て大豆インクを使っているという事で。
「ホエー、何かよさそうね」と思ったのを思い出します。
うちの商品も、使える部分では使って行きたいなぁ。
実際、石油系インキより濁りが少なくて発色が良いみたいだし。