【Movie】映画『市子』を見ました

昨晩、HEAVENS HEAVENS DOORなど音界隈でつながる愉快な仲間たちと有楽町のガードした「Andy’s 新日の基」で久しぶりの会合。もう、みんな50絡みなんだけど相変わらずみんな元気で楽しかった。
みんなまぁまぁ飲み食いするのでそれなりの金額にはなるけど、おいしかったしたのしかったので無問題。
出社しての打ち合わせだったので、自転車を取りに日比谷線で恵比寿駅へ。まだ時間は22時過ぎくらい。昔は深夜まで飲んでいたけど、この年になると一次会でいい感じに酔っ払って解散という流れは体のみ優しいなとか思いつつ、自転車を押しながら帰宅。
ルートは自転車を押していくというのもあり、坂道しんどいので渋谷川と並行した道をてくてく、てくてく。四反道跨線人道橋、なんか人が通ってたのを観ると、もう出来たのかなぁとか思いつつも、昨日はなんとなくスルー。
今考えてみたら、なんで俺確かめなかったとか思うんだけど、まぁそういうもんだよね。

久しぶりだったけど、相変わらず美味い!ガード下の居酒屋の生で、「パイント」って単位があるのって、ここくらいじゃない?

さて、てくてく歩いて帰り着いたのは0時過ぎ。ちょっと薄らぼんやりゲームしたあとに、「映画でも見るかなぁ」と思ってDisney+見たけどなんだかそういう気分でもなく。
アマプラを見に行ったら、「市子」の文字が。3月上旬、恵比寿ガーデンタワーの3階でごはんを食べてる最中に予告編見て、なぜかものすごく惹かれて。まぁ杉咲花の存在感もあったんだけど、空気感というかね。
もともとは、メジャーなものも単館系も問わずに見ていたけど、最近はメジャーなものばかり見てて。不動産に移動して、出社したときはゆっくりとガーデンカフェでご飯を食べるようになって「恵比寿ガーデンシネマ」の予告もよく見るように。
なかなか、情報収集できてなかったんだけど、眼の前にこんなとこあったのに、なんでずっと行ってなかったのかとも思うんだけど、そもそも余裕がなかったんだよね。

とはいえ、今回の「市子」は短期間上映だったので足を運べず。だけど、たまたまアマプラ覗いたら、いいタイミングで観ることが出来て。
ネタバレになるから、詳しくは書きませんがこういう話って、思った以上にあるんだろうなーって。今、「共同親権」の話がまさに話題ですが、つい先日令和六年四月一日付で「民法の嫡出推定制度の見直し等を内容とする民法等の一部を改正する法律」が施行されています。
皆さん、この話ってご存知でしたか?

僕の生まれ育った北九州市は、今は落ち着いた街ではありますが子供の頃は本当にいろんな境遇の子たちがいて。例えば、母親が男と一緒に出ていって連絡がつかなくなった子や、2DKのアパートに7人で住んでいる子。お父さんは連絡がつかず、母親は水商売でほとんど家におらずいつも一人でご飯を食べている子。父親がいつも酔っ払っていて、暴力を振るう人の子もいれば、小学校に中学生の男の子が原チャリに乗って迎えに来て、授業中に2階から飛び降りて後ろに乗っていってしまう女の子など。ほんとに、色んな人がいたことを思い出します。今の時代は、あまり聞かない話ですけどね。

僕は特にそのへんあまり気にしない子だったので、どんな境遇の子とも一緒に遊んだし、遊びに行くし家につれてきたりもしばしば。でも、当時から親によっては子供にもそのように含みおいて忌避する家庭があったことは今でも覚えています。適度に田舎だったので、血縁や社会がうまく機能していてこのような境遇に近くても、一見不思議な関係ではあるけれど母親と暮らしているけれど、戸籍上は母親と姉弟という人がいたんだけど、今思えばこういうことだったのかもなぁと。明治時代に決められた古い法律の枷が、こういう悲劇を生んでいること。そして、その悲劇を救う受け皿がうまく機能せず、僕らが「当たり前」だと思っていることが、「当たり前」として機能していなかったのであろうなと。

この映画を見て、僕らにとっての「日常」の有り難みと「慮ること」の意味について深く考えさせられました。そして、「主体」と「相対」について。今、自分が見ている世界の「現実」と「虚構」。主役の杉咲花ちゃんと若葉竜也くんの、光と影、生きざまを見せる芝居の凄み。そして、共演の方たちの力量の深さ。久しぶりに、ファンタジーではない世界に引き込まれました。ぜひ、この映画は多くの人に見てもらいたい。そして、考えてもらいたい映画です。

民法の嫡出推定制度の見直し等を内容とする民法等の一部を改正する法律」は、原則令和六年四月一日以降に生まれた人には適応するのですが、それ以前の方々についてはこの一年の間に「嫡出否認の訴えを提起」しなければ、血縁上の父ではない者が子の父と推定されている状態を解消することが出来ません。この法律が、いま「無戸籍」になってしまっている人たちに一人でも多く情報が届き、「当たり前の幸せ」に一歩近づくことを願ってやみません。

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