【デジタル】こりゃ、大事ですね:インターネット分断の危機?
『インターネット分断の危機?——米国・EU・途上国の溝は埋まるのか
2003年ジュネーブで開かれた第1回世界情報社会サミット
「インターネットは誰のものか?」——。現在の米国を中心とするインターネットの管理方法を巡って、国際間の意見の対立がピークに達している。米国と欧州連合(EU)をそれぞれ核とする両陣営の歩み寄りがなければ、世界のどこでもグローバルなネットワークにつながるはずのインターネットが、真っ2つに分断されるといった事態も起きかねない。…… 議論の発端は、インターネットのIP(インターネットプロトコル)アドレスや「.com」などのドメイン名を管理する米国の非営利組織「ICANN」に対する不満の声だった。2003年に開かれた第1回のWSIS会議では、中国をはじめとした途上国などから「インターネットは国際的な社会インフラ。米国が一元的に管理するのはおかしい」などと批判が噴出したため、国連の下に委員会を設置して議論を続けてきた。(11/11:article from IT+PLUS)』
要は、EUは「最近のインターネットってこうグローバル化しとるっつーのに、何で今でもアメリカが一元管理しとるんじゃい!みんなでやるのが筋やろうが。」と言っている。
それに対して、アメリカが「おめー、インターネット作ったのはうちの国でそのインフラ技術を貸与しとるんや。でもって、それを民間組織のICANNに委託して何が悪いんじゃい!」と言う話。
僕個人としては、どうであれ今の形がいいと思う。
なぜなら、国家間代表で作る組織がこれを管理するようになると無駄な決まりとか出てくると思うしこういう事は一元管理の方が進化が早いと思うから。
んなに参加したければ、各国の人材がICANNに入って協力すれば良いだけだと思う。
実際、日本も富士通の人とかがこのICANNの理事になってたりだし。
なんだろうね、覇権争いするのは勝手だが最早公共のものとなっているモノを政争の道具にするのは辞めて欲しい。
良いやん、アメリカが作ったんやし。
こういうのは、グローバルな非営利団体がやるのが良いよ。
国家は、ダメダメ。
【追記】実際、ICANN が全体を俯瞰はするんだけど、アジア太平洋地域はAPNIC(Asia Pacific Network Information Centre)が、ヨーロッパ地域はRIPE NCC(Reseaux IP Europeens Coordination Centre)が、アメリカ地域はARIN(American Registry for Internet Numbers)が、カリブ・ラテンアメリカ地域はLACNIC(Latin American and Caribbean Internet Address Registry )が、そしてアフリカ地域はAFRINIC(African Network Information Centre )がそれぞれの地域レジストリを管理運営しています。そう言う意味では、結果的に誰のものかって言う議論自体がちょっと不毛な気がせんでもないんですけどね。まぁ、どこまで行ってもこの手の「誰のものか?」の議論は終わらないのでしょうね。ちなみに、ICANNも2016年に完全に民営化されています。
ちなみに、JPNIC はAPNIC のさらに細分化された日本のための組織で、IPアドレスなどの資源管理を行っている団体です。色々言われる事が多い中華人民共和国にも、このような国別インターネットレジストリCNNICが存在します。これはあくまで個人的な意見ではありますが、よく「中国は監視社会で、Youtube やTwitterなどのSNSが出来なくて自由がない」と言うような意見が出ますが、国とてしてはインターネットを遮断してはいませんし、自国のデジタル産業を保護していると言う側面もあり、あの進化はその政策あってのことだと感じていたりします。
よくよく考えてもらうとわかるのですが、この議論で出ている「インターネットは誰のものか?」という議論は米国が全ての情報を握る事に対する疑義だったりします。その視点に立つと、Youtube もfacebookもTwitterもAmazonも、アメリカのサービスですよね。と言う事は、クラウドサーバーであるとはいえ結果としてはアメリカに利益と情報がもたらされる事になります。ここで起きていた議論は、「それで良いのか?」と言う話も多分に含まれていたと今では思います。そう言う視点で見ると、当時の僕を「まだまだ浅いな」と思って振り返っています。オープンソースプロジェクトに関わって思うのは、たとえ国がルールを縛らなくても、合議で技術は進化も管理もできるんですよね。むしろ、進化というのはそう言う議論の先に生まれるものなのではないかと。数々のPoCに参加し、議論を持って進行する案件の先に見えて未来をみて、そう言うふうに考えるようになりました。(2020.05.23 Noise)